特集 もっと知ろう透析室での腎移植問題―腎移植と透析の移行期
4.透析室での脱感作療法と拒絶反応治療
河野 圭志
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1神戸大学大学院医学研究科腎臓内科/腎・血液浄化センター
キーワード:
ABO血液型不適合
,
ドナー特異的同種抗体
,
脱感作療法
,
単純血漿交換
,
二重濾過血漿交換
Keyword:
ABO血液型不適合
,
ドナー特異的同種抗体
,
脱感作療法
,
単純血漿交換
,
二重濾過血漿交換
pp.1042-1047
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002236
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腎移植を行うに当たって,腎移植後の拒絶を回避することは,腎生着率や生着期間に影響をもたらすため,非常に重要である.拒絶反応に関与するのは,おもに,ABO血液型不適合による抗体や,ドナー特異的同種抗体の存在がある.これらは,近年の免疫抑制療法の進歩による抗体産生抑制に加えて,抗体そのものを除去する抗体除去療法を組み合わせた,脱感作療法を腎移植前に行うことで,腎移植の短中期成績が飛躍的に改善している.また,腎移植後に拒絶反応を呈する症例もあり,その際にも免疫抑制療法強化に加えて,抗体除去療法を組み合わせて治療を速やかに行うことが一般的である.本稿では,透析室で行われる単純血漿交換や二重濾過血漿交換などの抗体除去療法について概説する.
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