特集 バスキュラーアクセス-作製・管理・修復の基本方針 2nd Edtion
第5章 穿刺法と管理の実際 3 ボタンホール穿刺法の利点と問題点
新里 高弘
1
,
當間 茂樹
2
,
柴田 和彦
3
1大幸医工学研究所
2とうま内科
3医療法人社団朋進会東神クリニック
キーワード:
ボタンホール穿刺
,
細菌感染
,
湿潤療法
Keyword:
ボタンホール穿刺
,
細菌感染
,
湿潤療法
pp.812-819
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002201
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・ボタンホール穿刺はアクセス血管の寿命を延ばす.
・ボタンホール穿刺を長く続けると穿刺部は隆起し,隆起の頂上には拡大したボタンホールトンネルの開口部が認められるようになる.
・穿刺部が隆起型変形に陥った場合のアクセス血管感染のリスクは,穿刺部が平坦であった場合のリスクの5.369倍(p<0.0085)であった.
・穿刺部の隆起型変形は,抜針後の湿潤療法や穿刺前における穿刺部へのエムラクリームの塗布によって防ぐことができる.
・一部の患者でボタンホールトンネルから黄色ブドウ球菌あるいは表皮ブドウ球菌が検出された.
・次の仮説が導ける.ボタンホール穿刺部が隆起性に変形すると,時にこの部位に細菌がコロニーを形成する.そのような状態において,なんらかの理由で生体の防御力が低下するとアクセス血管感染症が成立する.
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