震災発生時に注意するべき緊急対応を要する循環器疾患

Summary

▪震災直後に増加する循環器疾患には，急性冠症候群やたこつぼ心筋症があり，その後の避難生活に伴い急性肺血栓塞栓症や急性心不全の発症が増える．

▪急性冠症候群への対応は，平常時と同様に早期再灌流療法とCCU管理による急性期合併症の予防であるが，医療施設が被災した場合には，通常診療が不可能となる場合もあり，域外搬送も含めた広域的視点が重要となる．

▪肺血栓塞栓症や心不全については，避難による生活様式や医療アクセスへの変化が関与するため，予防措置を講じることが可能である．