話題・論点
新型コロナウイルス感染症サイトカイン制御の試み(薬物療法)
片桐 大輔
1
1国立国際医療研究センター腎臓内科
キーワード:
サイトカイン
,
IL-6
,
血液浄化療法
Keyword:
サイトカイン
,
IL-6
,
血液浄化療法
pp.713-717
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001778
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背景 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では,とくに重症例ほど過剰なサイトカインが分泌されることが当初から知られ,サイトカインストーム(cytokine storm)という言葉は一時期,テレビニュースでも取り上げられるほどであった.サイトカインストームは,サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome;CRS)とも呼ばれ,ウイルスや細菌などの外部刺激によって引き起こされる過剰な免疫反応を指す.COVID-19の臨床経過をみると,初期(発症から1週間前後)ではおもに新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖が問題となる.ここで80%の人が自然治癒する一方で,20%の人は1週間〜10日前後に免疫/炎症のシステム異常が起こり,中等症〜重症化する.5〜10%の患者が重症化し,命に関わる.
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