特集 ダイアライザ・ダイアフィルタの今後を考える
9.有用な水溶性小分子をいかに保持するか
下門 清志
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1藍蒼会しもかどクリニック
キーワード:
拡散
,
アミノ酸
,
サルコペニア
Keyword:
拡散
,
アミノ酸
,
サルコペニア
pp.481-484
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001713
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透析治療の拡散によって小分子量物質は容易に透析液側に移動する.とくにアミノ酸は,生体の恒常性維持にとって有用な蛋白質を合成する基質物質である.平均の分子量は約110とクレアチニン(Cr)の分子量113とほぼ同じであり,拡散による損失量は相関する.透析治療中にアミノ酸は,アミノ酸プール(おもに骨格筋)から血液中に補充され,血液中濃度は漸減していき一定に維持される特徴をもつ.小分子量尿毒素除去とアミノ酸損失抑制は,拡散効率の考慮の下に成立する.高齢透析患者のアミノ酸損失は透析中の骨格筋の異化を促進し,医原性サルコペニアの原因になりうる.
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