特集 腎性貧血治療のこれまでと,その新しい展開
6.HIF分解酵素阻害薬の腎保護効果と懸念
深水 圭
1
1久留米大学医学部内科学講座腎臓内科部門
キーワード:
HIF―PH阻害薬
,
腎性貧血
,
CKD
,
腎保護効果
Keyword:
HIF―PH阻害薬
,
腎性貧血
,
CKD
,
腎保護効果
pp.71-76
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001593
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HIF―PH阻害薬は透析患者に加えて保存期腎不全患者に対して広く臨床の現場で使用されつつある.とくに保存期腎不全患者においては貧血以外にも臓器保護効果が期待されている.多くの急性腎障害,慢性腎不全モデル動物においてHIF―PH阻害薬の効果が報告され,臨床上でもeGFR保持効果が示されている.しかしながら腎保護メカニズムは明らかではなく,臨床研究を含めた議論が必要である.一方,第三相臨床試験や動物実験において血栓塞栓症,悪性腫瘍進展,肺高血圧症増悪,網膜症・加齢黄斑変性症進展,血管石灰化,囊胞の増大,高カリウム血症などの懸念があり,「HIF―PH阻害薬適正使用に関するrecommendation」に基づき慎重に使用することが重要である.
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