特集 腎性貧血治療のこれまでと,その新しい展開
7.HIF分解酵素阻害薬と他薬剤との相互作用
古久保 拓
1
1 仁真会白鷺病院薬剤科・薬剤師
キーワード:
HIF―PH阻害薬
,
薬物相互作用
,
代謝酵素
,
トランスポーター
Keyword:
HIF―PH阻害薬
,
薬物相互作用
,
代謝酵素
,
トランスポーター
pp.77-84
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001594
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低酸素誘導因子分解酵素(HIF―PH)阻害薬はおもに肝クリアランスにより消失し,薬物相互作用の機序は吸収過程と代謝過程に存在する.ダプロデュスタットを除き,金属カチオン含有経口薬,ポリマー性リン吸着薬,鉄剤などとの併用による消化管吸収の低下が知られている.代謝過程においては,代謝酵素やトランスポーター阻害薬による影響が知られており,例としてロキサデュスタットとダプロデュスタットはCYP2C8阻害薬の併用により血中濃度が上昇する.また,HIF―PH阻害薬が肝や腎におけるトランスポーターを阻害し,併用薬の作用が増強する可能性がある.よって,HIF―PH阻害薬を適用する際には,これらの機序による薬物相互作用について確認する必要がある.
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