今月の主題 酸化ストレスマーカーと疾患・病態
酸化ストレスと注目される病態
酸化ストレスと腎障害
今井 圓裕
1
,
中島 英明
2
Enyu IMAI
1
,
Hideaki NAKAJIMA
2
1大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学
2帝京大学医学部内科学
キーワード:
尿蛋白
,
腎不全
,
虚血再灌流
,
アポトーシス
,
糸球体腎炎
Keyword:
尿蛋白
,
腎不全
,
虚血再灌流
,
アポトーシス
,
糸球体腎炎
pp.177-182
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100113
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〔SUMMARY〕 活性酸素種(ROS)はシグナル伝達物質で多様な生理作用に関与するが,慢性炎症や虚血再灌流時には酸化ストレスが増大し,細胞の生死を決定する物質となる.腎炎の環境下では,糸球体細胞には酸化ストレスが負荷されている.また,腎近位尿細管は蛋白尿を再吸収することにより,活性化されROSの蓄積をきたし,過剰となるとアポトーシスを起こす.末期腎不全においては,ROSの消去系物質の減少により酸化ストレスが亢進しているために多くの物質が酸化的修飾やカルボニル反応を受け,内皮細胞障害の原因となり,動脈硬化を促進し,心血管障害をきたす原因となる.〔臨床検査 49:177-182,2005〕
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