特集 透析液・透析関連排水の諸問題
2.透析液濃度の適正管理(1)透析液濃度測定標準化の基本的な考え方
小久保 謙一
1,2
,
清水 康
1,3
,
村上 淳
1,4
,
山家 敏彦
1,5
1日本血液浄化技術学会
2北里大学医療衛生学部医療工学科
3元町HD クリニック
4東京女子医科大学臨床工学部
5神奈川工科大学工学部臨床工学科
キーワード:
透析液成分濃度
,
常用参照標準物質
,
イオン選択性電極
Keyword:
透析液成分濃度
,
常用参照標準物質
,
イオン選択性電極
pp.153-158
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001187
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現在,透析液濃度は,イオン選択性電極(ISE)が内蔵されている電解質分析装置やISE 付き血液ガス分析装置を用いて測定されるようになっている.しかし,ISE は,イオン選択性膜と電解質の種類にかかわらず発生する電極間電位を組み合わせてイオン濃度を測定するものであるため,共存イオンの影響を受ける.そのため,透析液濃度を測定しても,装置によって表示される値が異なっていた.どのメーカーの装置を使っても同じ値が測定されるためには,標準化が必要であった.そこで,透析液と組成がほぼ等しい透析液用の校正用標準液(常用参照標準物質)を検査医学標準物質機構に作製いただき,また,その値の決定方法を日本臨床化学会にて規定していただいた.関係メーカーの協力のもと,それを校正基準とすることで,校正後の測定値の精確さや測定装置間の測定値の互換性が確保できることを確認し,認証制度を確立することで標準化を行った.
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