特集 透析医工学の最前線
2.透析関連技術の進歩(8)透析液成分濃度測定装置の認証制度
小久保 謙一
1
,
清水 康
2
,
村上 淳
3
,
山家 敏彦
4
1北里大学医療衛生学部医療工学科,日本血液浄化技術学会
2元町HD クリニック臨床検査部,日本血液浄化技術学会
3東京女子医科大学臨床工学部,日本血液浄化技術学会
4神奈川工科大学工学部臨床工学科,日本血液浄化技術学会
キーワード:
透析液成分濃度
,
常用参照標準物質
,
認証制度
Keyword:
透析液成分濃度
,
常用参照標準物質
,
認証制度
pp.525-531
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000882
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透析液濃度は,イオン選択性電極(ISE)が内蔵されている電解質分析装置やISE 付き血液ガス分析装置を用いて測定されるようになっているが,装置によって測定される値が異なっていることが明らかとなった.そこで,それを解決するために,日本臨床化学会,検査医学標準物質機構の協力のもと,透析液に含まれる電解質の濃度測定を標準化するための検討を行った.具体的には,透析液用の校正用標準液(常用参照標準物質)を作製し,関係メーカの協力のもと,それを校正基準とすることで,校正後の測定値の精確さや測定装置間の測定値の互換性が確保できることを確認し,標準化項目をNa+,K+,Cl-,pH,HCO3-の5 項目とし,当該の測定項目が適正に校正されていることを検証する適合性評価としての認証制度を確立した.本制度は,日本血液浄化技術学会透析液成分濃度測定装置認証委員会が認証を行うものである.現在までに,2 回の認証試験を行い,市販されている19 機種(電解質分析装置として7 機種,ISE 付き血液ガス分析装置として12 機種)が基準に適合する機器として認証した.
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