特集 透析生活をサポートする―各職種ができることと限界
8.患者の立場から―腎代替療法と就労
古薗 勉
1
1近畿大学生物理工学部医用工学科
キーワード:
腎代替療法
,
就労
,
意思決定
Keyword:
腎代替療法
,
就労
,
意思決定
pp.1649-1654
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001140
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すべての腎代替療法(施設血液透析,腹膜透析,在宅血液透析および腎移植)を32 年以上かけて経験した筆者が,その体験に基づいて治療法の違いに対する就労の観点から腎不全治療について概観した.長期間の透析治療による残存腎機能の低下は,週3 回4 時間の施設透析ではアクティビティの減衰と就労意欲の低下を招く.残存腎機能が十分にある患者とそうでない患者を同じ透析患者として,一括りに評価してはならない.在宅での頻回・長時間透析やノクターナル透析は患者のアクティビティを蘇らせる.共有意思決定には責任が伴うことから,患者も医師も治療法にかかわる意思決定の判断基準をどこに置くかについて考え直す時期にきている.
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