特集 既存のガイドラインを透析患者にどう活用するか
6.腎癌
三宅 秀明
1
1浜松医科大学泌尿器科学講座
キーワード:
腎癌診療ガイドライン
,
透析腎癌
,
薬物療法
Keyword:
腎癌診療ガイドライン
,
透析腎癌
,
薬物療法
pp.1031-1035
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000987
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本邦における腎癌のガイドラインとしては,日本泌尿器科学会が編集している「腎癌診療ガイドライン」があり,2017 年に第3 版が刊行されている.本ガイドラインはClinical Question(CQ)に対してClinical Answer(CA)として解説するという形式が採用されているが,透析患者に焦点を当てているCQ/CAとしては,スクリーニングおよび病理診断が挙げられる.しかし,performancestatus 不良症例など,透析患者も該当する病態を対象とした記述は散見されるものの,上記2 項目以外に直接的に透析患者に言及している記載は認められない.このことは腎癌診療においては,透析患者であっても通常と大きく異なる診療を提供する必要性は低いということが示唆されていると考えられるが,一方で日常臨床においては薬物療法を中心に透析患者に適した治療に関する多くの議論がなされているのも事実である.本稿では,実践的な視点から透析患者に対する本ガイドラインの適切な活用法を概説する.
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