特集 既存のガイドラインを透析患者にどう活用するか
4.肺炎
横村 光司
1
1聖隷三方原病院呼吸器内科
キーワード:
医療・介護関連肺炎
,
耐性菌
,
終末期
Keyword:
医療・介護関連肺炎
,
耐性菌
,
終末期
pp.1017-1023
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000985
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肺炎のガイドラインには,日本呼吸器学会が公表している「成人肺炎診療ガイドライン2017」がある.透析患者の肺炎は医療・介護関連肺炎(NHCAP)に分類される.NHCAP は院内肺炎(HAP)とともに一つの疾患群として診療のプロセスが示されており,診療方針を決定する際には最初に疾患末期あるいは老衰などの不可逆的な死の過程にある終末期の患者を鑑別することが治療区分の考え方として新たに取り入れられた.敗血症の有無・重症度・耐性菌リスクも考慮して抗菌薬を選択するが,透析患者における起因菌の種類や耐性菌の割合などに関するデータは乏しく,患者背景や施設ごとに異なることも予想される.予防には肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種が推奨される.
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