特集 80歳からの診療スタンダードUp to Date—Silver Standard
【80歳以上の高齢者のプロブレムへのアプローチ】
誤嚥性肺炎診療スタンダードUp to Date
石田 直
1,2
1公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構
2倉敷中央病院呼吸器内科
キーワード:
誤嚥性肺炎
,
医療・介護関連肺炎
,
嚥下機能
,
抗菌薬
,
緩和医療
Keyword:
誤嚥性肺炎
,
医療・介護関連肺炎
,
嚥下機能
,
抗菌薬
,
緩和医療
pp.1090-1093
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201644
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誤嚥性肺炎とは
誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)は、嚥下機能の障害により食物や口腔内容物が下気道へ流入することにより生じる肺炎である。年齢が高くなるにつれて誤嚥性肺炎の割合は増加し、高齢者肺炎の多くは誤嚥性肺炎である(図1)1, 2)。高齢者では、市中肺炎、院内肺炎、医療・介護関連肺炎(nursing and healthcare associated pneumonia : NHCAP)のいずれにおいても誤嚥は重要なファクターであるが、特に医療・介護関連肺炎の主体をなすのは、高齢者の誤嚥性肺炎と考えられている3)。
誤嚥の危険因子として、一般的に、脳血管障害、中枢神経系の変性疾患およびParkinson病、鎮静薬・睡眠薬などの薬物投与、認知症、口腔衛生の不良、気管切開、人工呼吸器使用、免疫低下状態、うつ状態などの精神疾患、ADL(activities of daily living)低下、食道の通過障害などが挙げられるが、高齢者はこれらの因子の多くを有する。
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