CKD 患者におけるがん化学療法─透析患者を中心に
V 症例報告 2 〈大腸癌〉維持透析中の大腸癌患者に対する非透析日mFOLFOX6 療法の可能性
村井 太一
1
,
中村 路夫
1
1市立札幌病院消化器内科
キーワード:
透析
,
大腸癌
,
mFOLFOX6 療法
Keyword:
透析
,
大腸癌
,
mFOLFOX6 療法
pp.968-973
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000963
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わが国の維持透析患者は2017 年末において約33 万人に達し,2010 年透析導入患者の5 年生存率は60.8 %と長期透析例が増加傾向である.化学療法の進歩によって進行大腸癌患者における生存期間は延長しており,維持透析を受けている大腸癌患者にとっても化学療法を受けるメリットは大きい.これまで維持透析患者に対してFOLFOX 療法を行った報告はいくつかあるが,いずれも腎排泄であるオキサリプラチン(L-OHP)による有害事象を懸念してL―OHP 投与終了後数時間以内に透析を開始されている.しかし,透析当日のFOLFOX 療法は患者の身体的負担が大きく,維持透析と化学療法の双方が施行可能な施設に限定されてしまう可能性が高く利便性に問題がある.
今回われわれは,進行大腸癌2 例に対し透析日および非透析日にmFOLFOX6 療法を行いL-OHP の推移,安全性および有効性を評価し,患者の身体的負担や利便性を考慮した非透析日mFOLFOX6 療法の可能性を検討したので報告する.
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