特集 透析医工学の最前線
2.透析関連技術の進歩(6)体内水分組成モニタを利用した水分管理
長尾 尋智
1
,
神崎 将克
1
,
武安 美希子
1
,
高田 幹彦
2
1( 医)知邑舎メディカルサテライト岩倉・臨床工学技士
2( 医)知邑舎岩倉病院外科
キーワード:
体内水分管理
,
多周波数生体電気インピーダンス法
,
位相角(PhA)
,
栄養指標
Keyword:
体内水分管理
,
多周波数生体電気インピーダンス法
,
位相角(PhA)
,
栄養指標
pp.509-516
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000880
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透析患者の適正な体液管理は,生命予後改善において重要な管理項目である.しかし,現在の高齢化と低栄養の進んだ患者構成と循環器疾患を抱える患者では,従来の指標では管理に向かない状況がみられ,また,体内水分量と栄養状態が深く関連することから,その評価は難しくなりつつある.多周波数生体電気インピーダンス法(multi frequency bioelectrical impedanceanalysis;MFBIA)が体内水分管理や栄養管理に臨床応用されるが,近年MFBIA で得られる栄養指標として,高齢透析患者のサルコペニア,フレイルをいち早く推定できる可能性から「位相角(phase angle;PhA)」が注目される.総体液量比率(TBW/FFM)とPhA および透析中の血圧状況を組み合わせた検討は,患者の臨床症状を反映でき,透析患者の適正体液量管理と安定透析に有用と思われる.
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