特集 透析医療における情報技術の進歩・展開
2.モニタリング(4) 体液量モニタの活用―透析療法における体液量モニタリングの活用
長尾 尋智
1
,
高田 幹彦
2
1知邑舎メディカルサテライト岩倉・臨床工学技士
2知邑舎岩倉病院
キーワード:
循環動態モニタ
,
体液量モニタ
,
栄養指標
Keyword:
循環動態モニタ
,
体液量モニタ
,
栄養指標
pp.1223-1230
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000157
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日本透析医学会発表のわが国の透析医療の現況調査を基に考察すると,75歳以上の患者であり血清Alb 濃度が3.5 g/dL を割る比率は,2005 年の32.7%から10 年間経年的に増え,2015 年には49.3 %と半数近くに増加している.これは,透析患者の高齢化と,低栄養の進行による透析中の低血圧や循環動態の不安定な患者が増加している現状を指し示す.幅広い年齢層にある透析患者の身体組成は常に変化しているため,患者個々の適正体重の設定は重要でMFBIA(多周波数生体電気インピーダンス法)による評価は有用である.また,透析中の急激な血圧低下を予防する方法には,循環血液量モニタが有用で,装置との連動により透析の安全性が高くなる.ほかに数種のモニタリング装置とシステムが存在しているが,非侵襲的で即応性と正確性を高めた生体モニタリング装置の情報を生かすことが今後の透析医療に求められる.
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