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特集 メニエール病Update
水分摂取療法
Hydration therapy
長沼 英明
1
Hideaki Naganuma
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科
pp.989-995
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102334
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Ⅰ はじめに
メニエール病の治療において,めまい症状に関する長期予後は比較的良いとされている。メニエール病の病態の進行によって感覚細胞が一定以上障害されるとメニエール病の典型的な発作としての回転性めまいの頻度は低下する。これは温度刺激検査で(高度)半規管麻痺耳ではめまいのsensationが消失するのに類似する。また小脳-脳幹などによる中枢性代償が働くことにより平衡障害は許容範囲に保たれることにも関係がある。
しかし,メニエール病の聴力の長期予後は良くない1)。病態の進行による内耳感覚細胞の障害に伴う機能低下は直接的に聴力を低下させる。つまりメニエール病の長期予後は内耳環境を良好に保ち感覚細胞の機能の保存・改善を図り,内耳感覚細胞の障害を最小限にし,聴力を保つことが鍵となる。感覚細胞の機能の維持は平衡覚の維持にも重要である。
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