特集 透析患者における電解質・酸塩基平衡異常―透析液を含めて
【コラム】排便コントロールと電解質異常
菊地 晃一
1,3
,
阿部 高明
1,2,3
1東北大学大学院医学系研究科病態液性制御学分野
2東北大学大学院医学系研究科分子病態医工学分野
3東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
pp.234-235
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000809
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透析患者の多くが排便に問題を抱えていることは透析医療に関わる医療者の誰もが実感することである.本邦の血液透析および腹膜透析患者を対象にRome Ⅱという基準を用いて便秘症の頻度を調べた西原らの研究1)では,機能性便秘が19 %,下剤を常用している者が33 %と透析患者の約52 %が便秘症であったと報告されている(現在,Rome ⅡはRome Ⅳにupdate されている).一般人口における便秘の有症率は報告によって大きく異なるが,平成28 年の国民生活基礎調査2)によれば便秘症状を訴える人の割合は男性で2.5 %,女性で4.5 %であり,透析患者の便秘の有症率が一般人口に比べて非常に高いことがわかる.
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