特集 透析患者の糖尿病管理の新展開
8.合併症(4)認知症
大村 卓也
1
,
田村 嘉章
1
,
荒木 厚
1
1東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
糖尿病
,
認知症
,
Alzheimer 病
,
血管性認知症
,
血液透析
Keyword:
糖尿病
,
認知症
,
Alzheimer 病
,
血管性認知症
,
血液透析
pp.87-94
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000775
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糖尿病患者における認知症の合併は,高血糖や低血糖をきたしやすくし,日常生活動作(ADL)の低下や心血管疾患の増加をもたらし,最終的には生命予後を悪化させる.近年,糖尿病と認知症を合併する血液透析患者数は増加しており,認知症を早期に発見することはきわめて重要である.早期発見のためには,記憶障害,手段的ADL の低下などを手がかりとして,認知症のスクリーニング検査を行う.認知機能障害がある場合には,運動療法,食事療法,心理サポート,介護保険をはじめとした社会資源の確保,などの対策を講じる.とくに,認知症と重症低血糖は悪循環を形成しうるので,低血糖対策を行うとともに,柔軟な血糖コントロール目標を設定し,治療の単純化を行う.
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