特集 透析食の調理者と透析患者
【コラム】透析患者の食事療法におけるケアとキュア―食生活とQOL の関連性
齋藤 かしこ
1
1横浜栄共済病院栄養科
pp.1308-1310
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000692
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食事を生きていくためのものとして捉えるか,楽しみとして捉えるか 内閣府の食育ガイドの最初には「食べることは生きること」と書かれている.人間の体は食べたものから作られている,そう考えれば透析患者に限ったことでなく,人間が食事をすることは生きていくためである.そして治療に必要な食事療法は,「療法」と付いていることでもわかるようにキュアである.しかし,食事は人間にとってそんなに簡単に割り切れるものではない.人間には感情があり,食事によって食欲が満たされ,さらに家族や友人などと一緒に食事することで心の満足感や楽しみを得るという精神的な側面がある.また,季節ごとの行事やお祝いの日に食べる行事食などはただ食べるためでなく,家族の幸福や健康を願い,自然の恵みへの感謝など社会的な側面をもっている.
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