3．実践報告（3） 透析療法を受ける患者に対するキュアとケア― 治療と生活とを結びつける，キュアとケアを融合した看護実践

看護師が日常的に行う「診療の補助」としてのキュアは，人間を生活体として全人的に捉えて理解し，健康問題への反応を観察し，患者の生活を支えるという看護学を基盤としている．慢性疾患患者へのケアにおいては，患者の病いの体験（illness）を理解し，それらに寄り添って生活を支える視点が重要である．血液透析患者のセルフマネジメントを支える事例では，患者のillnessに寄り添って全人的に患者を捉える視点が一貫して存在し，医学的知識をもとに身体を理解しつつ，治療と生活とを結びつけるというキュアとケアを融合した実践が見出せた．キュアとケアを融合した看護実践により，キュアとは異なる視点から，患者の健康問題にアプローチできる．