米国ホスピタリストの「無知の知」・7
「キュアではなくケア」という医療
石山 貴章
1
1St. Mary's Health Center, Hospital Medicine Department
pp.86-87
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102728
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米国レジデント時代,一人の女性研修医と同級であった.非常に優秀でまじめ.字もきれいで何をするにもそつがない.なんというか,小学校時代の学級委員長,といった感じの子だ.その彼女と将来の話をしていた時に,印象に残った会話がある.将来どの分野へ行きたいの,と問うた私に対し,彼女は迷うことなく,Palliative Care(緩和医療)を挙げた.
当時,私は外科上がり.診断学のおもしろさに魅了されはじめていたとはいえ,とにかく切ってナンボ,治してナンボの世界のマインドがまだまだ残っていた頃だった.その当時の私にとって, Palliative Careはなんというか,医療の本道ではない気がしていた.
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