臨床研究
慢性心不全を合併した維持透析患者へのAdaptive servo—ventilation(ASV)の有用性の検討
澤井 美希
1
,
榊原 守
2
,
鈴木 大
3
,
高橋 浩雄
5
,
飛田 美穂
6
2玉栄会東京天使病院循環器内科
3東海大学医学部腎代謝内科,松和会望星平塚クリニック内科
5東海大学医学部付属大磯病院腎代謝内科
6倉田会くらた病院内科
キーワード:
心不全
,
適応型陽圧換気(ASV)
,
血液透析
Keyword:
心不全
,
適応型陽圧換気(ASV)
,
血液透析
pp.121-128
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000324
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血液透析患者は,器質的・機能的心疾患を合併しやすく,さらに容易に体液過剰となることより心不全を発症しやすい.心不全は,血液透析患者において主要な予後規定因子の一つであり,依然として慢性維持透析患者の死亡原因の第1 位である1).血液透析患者における心不全治療の原則は,塩分制限,体液管理および服薬遵守である.塩分制限や水分管理の指導の徹底,さらに,「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」1)で定義されている至適体重(dry weight;DW)を適正に設定することが,透析患者の予後改善へと繫がる.しかし,心不全を合併した透析患者に対する薬物療法は,透析時の血行動態・血中濃度の変動などにより導入困難例も多く,予後改善効果に関するエビデンスも確立されていない1),2).近年,循環器領域において,心不全の新しい非薬物療法として非侵襲的陽圧換気療法の一つである適応型陽圧換気(adaptiveservo—ventilation;ASV)が注目され,その有用性が報告されている3).そこで,今回,われわれは慢性心不全合併維持透析患者に対して,ASVの有用性に関して検討した.
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