特集 透析患者のがん対策
1.透析患者死因の変遷
尾形 聡
1
,
政金 生人
2
1広島国際大学医療栄養学部医療栄養学科
2日本透析医学会統計調査委員会委員長/清永会本町矢吹クリニック
キーワード:
心不全
,
感染症
,
突然死
,
離脱
,
心理社会的理由
Keyword:
心不全
,
感染症
,
突然死
,
離脱
,
心理社会的理由
pp.7-12
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000301
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日本の透析患者の死因としては心不全がもっとも多く,感染症,悪性腫瘍がそれに続き増加傾向,脳血管障害,心筋梗塞が減少傾向にある.導入年死亡では近年感染症が心不全を上回っており,悪性腫瘍もやや増加している.米国ではcardiac arrest(突然死)が第1 位でさらに割合が増加しつつある.オーストラリア・ニュージーランドでは近年まで心血管障害が1 位であったが減少傾向にある.日本と異なり米国・オーストラリア・ニュージーランドでは感染症が減少しつつあり,withdrawal(透析離脱)が2000 年代に入り急速に増加しつつある.その理由としては心理社会的要因がもっとも多かった.米国・オーストラリア・ニュージーランドでは悪性腫瘍はほぼ横ばいである.
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