特集 糖尿病診療 温故知新—こんなに変わった!昭和の常識
糖尿病患者死因の変遷
及川 眞一
1,2
1日本医科大学
2結核予防会複十字病院 糖尿病科
キーワード:
日本人糖尿病
,
死因
Keyword:
日本人糖尿病
,
死因
pp.780-791
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200756
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はじめに
恩師である後藤由夫先生(東北大学名誉教授)は,日本病理学会から毎年刊行されている日本病理剖検輯報(第1報は1960年刊行)のなかから糖尿病患者を抽出して症例カードを作成していた.これらのカードは後藤先生自らが作成したもので,われわれはそのカードから主たる死因と病理所見をまとめ,一覧にして集計するといった作業を行った.主たる死因のなかには「糖尿病の悪化」などが記されていた.このような報告に続き,名古屋大学第三内科・坂本信夫教授,堀田 饒教授らが進めたアンケート調査により日本人糖尿病における死因調査が行われ,最近の愛知医科大学糖尿病内科・中村二郎教授の報告に至っている.これらを振り返り,この50年間の死因の変遷を考えたい.
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