特集 透析スタッフにとっての腎移植―直面する臨床的課題
4.腎移植前後の患者管理(6)悪性腫瘍の発見と治療
和田 吉生
1
,
原田 浩
1
1市立札幌病院腎臓移植外科
キーワード:
スクリーニング
,
造影CT検査
,
移植腎生着中癌死の回避
,
免疫抑制薬の減量・中止
Keyword:
スクリーニング
,
造影CT検査
,
移植腎生着中癌死の回避
,
免疫抑制薬の減量・中止
pp.1709-1713
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000268
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慢性腎臓病および末期腎不全はそれ自体が発癌の危険因子であり,腎代替療法の管理において,悪性腫瘍の早期発見と治療は,感染症のコントロールと並び重要なポイントである.腎移植患者における悪性腫瘍の発生頻度は,健常者のおよそ2.5〜5 倍という報告がある.腎移植に際しては,提供腎の長期にわたる機能保持や移植腎生着中癌死の回避,移植後の免疫抑制薬による発癌リスクの増加等の観点から,術前の入念なスクリーニングはもちろん,術後の定期的な検診や画像評価は必須である.腎移植後患者に対する悪性腫瘍のスクリーニングとして確立した方法はないが,高リスクであることを念頭に,年齢や性別等を考慮した計画的な検診や画像検索を勧めるべきである.
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