特集 透析スタッフにとっての腎移植―直面する臨床的課題
4.腎移植前後の患者管理(2)C 型肝炎ウイルス陽性透析患者の腎移植
西村 憲二
1
1兵庫県立西宮病院腎疾患総合医療センター
キーワード:
HCV 陽性透析患者
,
腎移植
,
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)
Keyword:
HCV 陽性透析患者
,
腎移植
,
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)
pp.1681-1687
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000264
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透析患者および腎移植患者におけるC 型肝炎ウイルス(HCV)陽性率は高く,長期的にはC 型慢性肝炎(CHC)から肝硬変や肝癌を併発し生命予後や移植腎生着率を悪化させる重大な要因となる.CHC に対する治療としては以前からインターフェロンやペグインターフェロンを用いた治療が行われてきたが,低いHCV 排除率や合併症などで治療は限定的であった.近年,直接作用型抗ウイルス薬(direct acting antivirals;DAA)が開発され治療成績は飛躍的に向上したが,透析患者や腎移植患者においては腎機能や薬剤の相互作用に留意してDAA を選択する必要がある.腎移植を希望するHCV 陽性透析患者に対しては積極的にDAA 治療を行うことが患者の生命予後改善につながるものと思われる.
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