Japanese
English
日本麻酔科学会第72回学術集会講演特集号 招請講演
CVCI:困難気道を克服する
CVCI(Cannot Ventilate, Cannot Intubate)―Dealing with the Ultimate Difficult Airway
岡野 龍介
1
David Ryusuke OKANO
1
1東京女子医科大学麻酔科学分野
キーワード:
困難気道
,
挿管困難
,
緊急気管切開
,
輪状甲状間膜切開
,
スカルペル・ブジー法
,
麻酔リスク
Keyword:
困難気道
,
挿管困難
,
緊急気管切開
,
輪状甲状間膜切開
,
スカルペル・ブジー法
,
麻酔リスク
pp.S23-S32
発行日 2025年11月20日
Published Date 2025/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/masui.2025130005
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
麻酔科医にとって気道確保は日常診療における基本的かつ不可欠な技能であり,他科と比較しても高い習熟度が求められる。研修医の段階では,条件の良い症例においては円滑に挿管可能であっても,解剖学的あるいは病態的に困難な症例では挿管に難渋し,指導医の介入を受けることが少なくない。しかし,経験を重ねるにつれて,真の挿管困難症例を除けば,挿管に難渋する頻度は減ってくる。著者の先輩指導医は,“麻酔科医が気道確保に熟達していることは,外科医が結紮に熟達しているのと同様,職務上当然の技能であり,なんらそれ自体を誇るべきものではない” と述べていた。
CVCI(Cannot Ventilate, Cannot Intubate)とは,換気も挿管も不可能な事態を指し,日常的に自発呼吸を停止させて気道管理を行う麻酔科医にとって,きわめて危機的かつ予後に重大な影響を及ぼしうる状況である。まず,症例を1つ提示したい。

Copyright © 2025 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.

