投稿論文 工夫
鼻翼軟骨延長術のアイデアに基づいた四脚型鼻尖耳介軟骨移植術
水野 力
1
1アネシス美容クリニック
pp.895-899
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2025080019
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
鼻中隔延長術は短鼻を長鼻にするのが主な目的であるが 1),鼻尖を挙上する目的でも適用されており 2),人気の美容外科手術の1つになっている。
鼻中隔延長術後の合併症として,挙上したはずの鼻尖が次第に後戻りしてくることがある 3)。鼻翼軟骨のTripod理論 4)に従うと,鼻尖の高さは鼻翼軟骨の長さで規定されており,鼻尖が低いのは鼻翼軟骨が短いとされている。鼻翼軟骨が短いまま鼻中隔延長術で鼻尖を挙上しても,最初は鼻中隔延長術の強度により支えられていたものが,時間経過とともに組織の緩和が起こると後戻りしてくると考えられる。後戻りを防ぐため,強度のある肋軟骨による鼻中隔延長術が用いられているが,短い鼻翼軟骨を無理やり挙上しているだけであり,鼻尖中央の肋軟骨が硬く触れ,鼻尖の動きが妨げられる副作用がある。鼻尖を挙上するために鼻中隔延長術だけに頼るのではなく,鼻翼軟骨を長くする鼻翼軟骨延長術を行うのが合目的であると著者は考えている。
今回,鼻翼軟骨延長術のアイデアに基づいた四脚型鼻尖耳介軟骨移植術(以下,四脚型グラフト)について報告する。

Copyright© 2025 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.