投稿論文 症例集積研究
人工心肺使用手術におけるアンチトロンビン補充前の適切なヘパリン投与量の検討
河本 怜
1
,
東別府 直紀
,
美馬 裕之
1神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科
キーワード:
Antithrombin III
,
Heparin
,
心肺バイパス術
,
ロジスティックモデル
,
後向き研究
,
薬物投与量算出
Keyword:
Antithrombin III
,
Cardiopulmonary Bypass
,
Retrospective Studies
,
Logistic Models
,
Heparin
,
Drug Dosage Calculations
pp.375-378
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022140578
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人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)を使用する手術におけるヘパリン抵抗性の原因の一つとしてアンチトロンビンIII(antithrombin III:ATIII)活性の低下があり、しばしばATIIIの補充が行われる。しかし、ATIII補充前のヘパリン投与量の基準はない。今回、ATIII補充前のヘパリンの適切な投与量を検討するため、後ろ向き観察研究を行った。CPB使用手術を受けATIII補充を要した103症例を対象とし、ATIII補充前のヘパリン投与量とATIII補充後のヘパリン追加投与の有無を検討した。ATIII補充前のヘパリン投与量が400U・kg-1未満の症例では、同量以上の症例に比べ、ATIII補充後にヘパリン追加投与を要する症例が有意に多かった(53%vs11%、P<0.01)。ATIII補充前のヘパリン投与量が400U・kg-1未満の場合、ATIII製剤を過剰に使用する可能性があると考える。
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