投稿論文 短報
好中球減少症患者に対する冠動脈バイパス術の周術期管理
宮山 直樹
1
,
宮田 和人
,
重松 明香
1ニューハート・ワタナベ国際病院 麻酔科
キーワード:
好中球減少症
,
術前管理
,
Lenograstim
,
冠状動脈狭窄症
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Neutropenia
,
Lenograstim
,
Preoperative Care
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Coronary Stenosis
pp.402-405
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021212661
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症例は67歳男性で、寒い日に胸痛を認め、狭心症の疑いで紹介受診となった。精査を行った結果、冠動脈カテーテル検査で冠動脈狭窄3枝病変と診断され、狭心症発作は当院受診時に認めておらず、準緊急の冠動脈バイパス術の予定であった。術前に著明な白血球低下を認め、仕事上で扱っていた有機溶媒が原因と考えられる好中球減少症という診断で、術前に顆粒球コロニー刺激因子製剤の投与を行い、好中球の増加を待ち手術の方針となった。麻酔は酸素1L/min、空気2L/min、セボフルラン1.5~2%、プロポフォール1~2mg/kg/hr、レミフェンタニル0.1~0.4μg/kg/minで維持し、適宜ロクロニウム10mgを追加投与した。ICUに入室後は問題なく経過し、術翌日に抜管した。術後38℃以上の発熱や肺炎を示唆するような酸素化能低下、創部の発赤などの感染徴候は認めず、術後12日で退院となった。
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