投稿論文 症例
悪性腫瘍を疑った巨大石灰化上皮腫の1例
中島 考陽
1
,
西本 聡
,
河合 建一郎
,
石瀬 久子
,
森口 くる美
,
吉池 遥南
,
垣淵 正男
1兵庫医科大学 形成外科
キーワード:
X線診断
,
鑑別診断
,
生検
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-下肢
,
皮膚腫瘍
,
毛母腫
,
拡散MRI
,
筋膜切開術
Keyword:
Fasciotomy
,
Skin Neoplasms
,
Leg Dermatoses
,
Skin Transplantation
,
Radiography
,
Diagnosis, Differential
,
Biopsy
,
Pilomatrixoma
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.1343-1349
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023041427
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症例は41歳男性で、左大腿部腫瘤を主訴とした。腫瘤は12年前より徐々に増大し、初診時は20×15cm、可動性不良で弾性硬であり、X線所見では腫瘍の一部に石灰化を認めた。造影MRIではT1強調像で腫瘍内部に不均一な増強効果を呈し、腫瘍と皮膚の境界は一部不明瞭であった。生検の病理組織学的所見で悪性所見は認めず良性の石灰化上皮腫と診断されたが、大きさや造影MRI所見から悪性腫瘍の可能性を否定できなかったため、腫瘍辺縁より2cmのマージンを確保して大腿筋膜を含めて腫瘍を全切除し、欠損部は右鼠径部より採皮して全層植皮術を行った。腫瘍全体の病理組織学的所見は異型性および浸潤に乏しく、良性の石灰化上皮腫と診断した。経過良好で術後21日目に退院し、2年2ヵ月経過して再発所見は認めていない。
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