投稿論文 症例
豊胸術後にプロポフォール注入症候群(PRIS)を発症したと考えられる1例
川中 慈
1
,
福田 健児
,
横川 愛
,
中島 考陽
,
西林 章光
1大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター 形成外科
キーワード:
アシドーシス-乳酸
,
Propofol
,
横紋筋融解症
,
外科的皮膚弁
,
再手術
,
脂肪組織
,
脂肪組織切除
,
急性腎障害
,
デブリードマン
,
体内埋込み具の除去
,
豊胸術
,
筋皮弁
,
プロポフォール注入症候群
,
Z形成術
,
脂肪移植
,
瘢痕拘縮
Keyword:
Propofol Infusion Syndrome
,
Reoperation
,
Rhabdomyolysis
,
Surgical Flaps
,
Acidosis, Lactic
,
Adipose Tissue
,
Propofol
,
Lipectomy
,
Debridement
,
Myocutaneous Flap
,
Acute Kidney Injury
,
Device Removal
,
Breast Implantation
pp.1336-1342
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023041426
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症例は28歳女性で、嘔吐、覚醒不良、低体温を主訴とした。美容外科にて豊胸術を受け、術後8時間経過して救急搬送された。入院時は高乳酸血症、代謝性アシドーシス、高CK血症、急性腎障害を認め、造影CTにて皮下気腫と大胸筋の融解を認めた。輸液負荷と電解質補正にて乏尿は改善し意識レベルも改善したが、インプラントと周囲壊死組織の感染を認め、入院7日目に全身麻酔下にデブリードマンとインプラント抜去を施行した。豊胸術時にプロポフォール約200mLを投与されていたことから、PRISによる横紋筋融解に感染を合併したと考えられた。デブリードマンをさらに2回施行し、その後緑膿菌が検出されたためベッドサイドでの創部洗浄と壊死組織除去の処置を行い、創部は緩徐に改善し入院113日目に退院した。退院後に左腋窩の分層植皮術、有茎広背筋皮弁術、左胸部への脂肪移植・右腋窩のZ形成術を施行し、最終手術から3ヵ月経過して左胸部に大きな瘢痕と変形が残存している。
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