投稿論文 工夫
ピエゾ超音波骨削器を用いた腓骨弁の成形の経験
岩上 明憲
1
,
菅 剛史
,
曽根田 寛幸
,
矢野 亜希子
,
福田 憲翁
1山形大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
下顎再建術
,
腓骨
,
骨皮弁
,
ピエゾサージェリー
,
血管柄付き骨移植
Keyword:
Fibula
,
Piezosurgery
,
Mandibular Reconstruction
pp.994-997
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021348908
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
下顎悪性腫瘍切除後の下顎再建において、腓骨弁の成形にピエゾ超音波骨削器を用いて骨膜血行を最大限温存し、安全に骨切りをする工夫を行った。2018年4月~2020年10月の期間に、計4例(男性2例、年齢56~76歳)に本法を施行した。原疾患はいずれも下歯肉癌であった。下顎骨欠損は、下顎骨の輪郭点である下顎頭(C)、下顎角(A)、オトガイ結節(T)を基準点とし、各基準点を含むか否かで区域欠損を分類したCAT分類で、T:2例、AT:1例、TT:1例であった。全症例において腓骨を2分節で移植した。術後経過観察期間は2ヵ月~18ヵ月であった。ピエゾ超音波骨削器による腓骨の骨切りには、1ヶ所あたり5分程度の時間を要した。移植した腓骨の骨膜は最大限温存され、マイクロモーターデバイスを用いた骨切りよりも多く骨膜が残った。血管柄を保護する操作は行わなかったものの、血管柄は損傷しなかった。全例で術後合併症は認めず、移植片は完全生着した。術後経過観察期間内でのパノラマX線写真で、良好な骨癒合および下顎形態を確認した。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.