投稿論文 原著
切断指再接着後の生着・不生着にかかわる因子の検討
柳下 幹男
1
,
原野 良平
,
金子 貴芳
,
岸邊 美幸
,
島田 賢一
1金沢医科大学 形成外科
キーワード:
外傷性切断
,
手指外傷
,
デブリードマン
,
医療記録システム
,
後向き研究
,
治療成績
,
血管移植
,
切断肢再接着術
Keyword:
Amputation, Traumatic
,
Finger Injuries
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Medical Records Systems, Computerized
,
Debridement
,
Vascular Grafting
pp.905-911
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020325650
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切断指再接着後の生着・不生着にかかわる因子、生着率を上げる改善策について検討した。当院で治療した切断指症例90例122指のうち、再接着術を施行した63例81指(男性63指、女性18指、平均45.9歳)を対象とした。81指のうち60指が生着し5年間の切断指再接着症例の生着率は全体で74.1%であった。完全切断例に加えて不全切断症例を「皮膚連続性あり」と「皮膚連続性なし」に分けて3群で比較すると、「皮膚連続性あり」の不全切断症例の生着率は96.0%と高く、一方「皮膚連続性なし」の不全切断症例は生着率30.8%と非常に低い結果であった。静脈移植施行の有無については、静脈移植を行った症例は81指のうち13指であり、生着したものはわずかに6指であった。生着率は46.2%であり、静脈移植を行わなかった群と比較して有意に生着率が悪かった。適切なデブリードマンの範囲と静脈移植の必要性をあらかじめ計画することが生着率の向上につながると考えられた。
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