診療
新たに作成した「特定妊婦チェックリスト」の有効性の検討
藤村 尚代
1
,
中村 名律子
1
,
海野 洋一
1
1松戸市立病院産婦人科
pp.529-534
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000045
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出産後の養育について出生前に支援が特に必要と認められる妊婦(特定妊婦)を効率よく抽出するために,「特定妊婦チェックリスト」を新たに作成した。経済的問題,母親の問題(精神疾患・薬物中毒など),夫の問題(暴力など),望まない妊娠,若年妊娠などを社会的ハイリスク要因として,17 項目のチェックリストとした。1 項目でも該当した者を特定妊婦として抽出し,行政との連携を図った。経済的問題が最も多く,経済的支援のみで育児が可能であった。次いで一人親,受診回数が少ない,精神疾患の順に多かった。精神疾患ではうつ病が最も多かった。複雑な事情を抱え,身近な支援者がいない者ほど個別の継続した支援が必要であった。チェックリストを活用することにより,これまでより多くの妊婦を抽出することができた。行政との連携を進める上で,有効な方法であると思われる。
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