臨床経験
帝王切開と同時に筋腫核出を行う場合の切開創について―筋腫核出術後にDICをきたした症例からの考察―
平吹 信弥
1
,
松山 純
1
1石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター産婦人科
pp.535-538
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000046
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子宮筋腫合併妊婦の帝王切開時において,前壁に大きな子宮筋腫があり児の娩出が困難なため,筋腫核出後,同部位から児を娩出した。術後に低凝固性の性器出血と著明なフィブリノゲン低下をきたし,DIC 型後産期出血と診断した症例を経験した。機序として筋腫核出した厚い筋層と羊水との接触が多く生じた可能性が考えられた。帝王切開時に同時筋腫核出する場合でも,児娩出前に筋腫核出する場面は少ないと考えられるが,羊水曝露を少なくするような注意が必要であろう。
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