特集 卵巣がん手術―R0を目指して
総論
1.PDSかNAC+IDSか―PARP時代のエビデンス―
加藤 一喜
1
K. Kato
1
1北里大学医学部産婦人科(主任教授)
pp.309-316
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003783
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進行卵巣がんに対して,一次的腫瘍減量手術(PDS)と術前化学療法(NAC)+インターバル腫瘍減量手術(IDS)を比較したランダム化比較試験(RCT)は複数ある。これまで,PDSもNAC+IDSも治療予後は同等で,PDSはNAC+IDSと比べると手術関連死亡率が高く,合併症が有意に多いと結論づけられていた。NAC+IDSが進行卵巣がんの標準治療として広まっていったのは当然である。最近発表されたTRUSTは,PDSで完全切除率が50%を超える施設に限って行われた試験であり,無増悪生存期間がPDS群で有意に延長したという結果であった。適切な患者選択を行い,完全切除を目指した手術療法を遂行することが進行卵巣がんの予後向上につながることがあらためて示されたが,ポリ(ADP-リポーズ)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬を維持療法として使用することが標準的になった現代において,PDSかNAC+IDSかの選択について本稿では論ずる。

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