特集 卵巣癌の手術up to date
5.IDSにおける腫瘍減量術
楯 真一
1
,
錦見 恭子
1
,
松岡 歩
1
,
生水 真紀夫
1
S. Tate
1
,
K. Nishikimi
1
,
A. Matsuoka
1
,
M. Shozu
1
1千葉大学大学院医学研究院生殖医学
pp.489-494
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000427
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Neoadjuvant chemotherapy(NACT)/interval debulking surgery(IDS)で完全切除率は上昇するものの,必ずしもその完全切除手術には良好な予後が伴っていないと指摘されている。重要なことは,NACTの役割が「腫瘍の消失ではなく,腫瘍の縮小であること」を認識しIDSを行うことである。筆者らは,IDS完全切除例における予後を不良にさせる理由の1つに,NACTにより腹腔内の播種巣が消失したように肉眼的に見えるため,IDS時に,見えなくなった腫瘍の取り残しと考えている。また,NACT/IDSのメリットは手術手技を縮小させることで周術期の合併症を下げることではなく,手術手技を縮小させなくても周術期の合併症を下げることであると考えられる。
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