特集 CQ&図解で学ぶ 生殖医療の基礎講座
Ⅴ 高度生殖医療
CQ 23 GnRHアゴニスト法の適応とスケジュールの実例は?
鈴木 達也
1
,
室井 美樹
1
,
髙橋 美紀
1
1獨協医科大学病院リプロダクションセンター
pp.1314-1320
発行日 2025年11月30日
Published Date 2025/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003627
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A
▶GnRHアゴニスト法は,GnRHアゴニストによる一過性のゴナドトロピンの分泌亢進(フレアアップ)後に下垂体機能を強力に抑制し(ダウンレギュレーション),排卵を抑制する卵巣刺激プロトコールである。代表的なプロトコールとしてロング法・ショート法・ウルトラロング法があり,それぞれ開始時期と目的が異なる。
▶ロング法は前周期黄体期からGnRHアゴニストを開始する標準的なプロトコールで,確実なLHサージ抑制により卵巣刺激効率に優れ,治療スケジュールの管理がしやすい。正常な卵巣予備能を有する症例などに適応される。
▶ショート法は月経1~2日目頃からGnRHアゴニストを併用するプロトコールで,フレアアップを利用して卵胞発育を促す狙いがある。主に卵巣予備能低下症例に適応される。
▶ウルトラロング法はART開始の数カ月前からGnRHアゴニストを長期投与する特殊なプロトコールで,子宮内膜症や子宮腺筋症合併症例に対し,病変の活動性低下と着床環境改善を目的として行われる。

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