特集 「ADC時代」の到来―チソツマブ ベドチン,そしてその先へ
6.他科のFDA承認ADC (3)消化器がん(Trastuzumab deruxtecan)
若山 祥之介
1
,
川上 尚人
1,2
S. Wakayama
1
,
H. Kawakami
1,2
1東北大学病院腫瘍内科
2東北大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野
pp.681-686
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は,HER2タンパクに結合するトラスツズマブにDNAトポイソメラーゼⅠ阻害薬を結合させた抗体薬物複合体である。HER2陽性進行胃癌に対する高い有効性を示し,実臨床においては三次治療以降で適応となっている。DESTINYシリーズの臨床試験の成績から,今後はHER2陽性進行胃癌における,より早期の治療ラインやHER2陽性進行大腸癌,さらには婦人科がんを含むHER2陽性進行固形腫瘍へのがん種横断的な適応拡大が期待される。一方で,間質性肺疾患などの有害事象への配慮が不可欠である。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.