特集 「ADC時代」の到来―チソツマブ ベドチン,そしてその先へ
4.卵巣癌に対するミルベツキシマブ ソラブタンシン(Mirvetuximab soravtansine)
中井 英勝
1
H. Nakai
1
1近畿大学医学部産婦人科学教室(准教授)
pp.655-661
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003446
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FRαを標的とした抗体薬物複合体であるミルベツキシマブ ソラブタンシン(MIRV)が,プラチナ抵抗性再発卵巣癌に対する複数の臨床試験で有効性が示された。これらの臨床試験ではPARP阻害薬の前治療歴のある難治性症例にも有効性が示されており,米国食品医薬品局(FDA)では迅速承認されている。現在プラチナ感受性再発に対する第Ⅲ相試験であるGROLIOSA試験が進行中であるほか,進行卵巣癌に対する術前化学療法を対象とした試験など幅広い患者群を対象に臨床試験が進行中である。本稿ではこれまで行われたMIRVを用いた重要な臨床試験の結果や解釈を中心に述べる。

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