今月の臨床 婦人科がんを見逃さないために
婦人科がん早期診断の要点・問題点
4. 卵巣癌
利部 正裕
1
,
杉山 徹
1
1岩手医科大学産科婦人科
pp.1078-1081
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100770
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
卵巣癌はsilent killerと称されるように初発症状に乏しい.事実,初回診断時に進行癌が約60%以上を占める.5年生存率はI期癌では90%を超えているが,Ⅲ/Ⅳ期は30%前後であり,婦人科癌のなかで卵巣癌は予後が最も不良である.治療法は進歩しているが,早期発見に勝ることはできない.卵巣癌罹患のリスクグループを疫学より知り,症状を振り返り考えてみることで次回からの早期発見へつなげる観点から,また婦人科を訪れた患者に対して卵巣腫瘤を見逃さないコツ,腫瘤が存在すればいかに癌を鑑別するかの観点から,特に最近話題の子宮内膜症からの癌化を含めて考えてみる.さらに,近い将来,血清プロテオミクスでの超早期診断が可能になるであろう.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.