特集 エビデンスと経験が紡ぐ未来の産科診療―科学的探究がもたらす新たな視点
7.予後不良な切迫早産関連疾患の管理―子宮内感染,早産期前期破水,子宮頸管無力症など―
漆山 大知
1
D. Urushiyama
1
1福岡大学医学部産科婦人科学講座(講師)
pp.377-382
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003360
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切迫早産にはさまざまな原因があり,病態も個々の症例で大きく異なる。とはいえ,大半は一般的な管理法で良好なアウトカムを得られる。しかし,妊娠中期に子宮内感染や前期破水,子宮頸管無力症をきたすと,たちまち予後不良となる。さらに,そのような症例ではエビデンスが乏しく,個々の施設や症例でも状況が大きく異なるため,ガイドラインでは明言を避けられている。われわれは,これまで子宮内感染・子宮内炎症にフォーカスして研究を進めてきた。そのなかで最新の研究を知る機会や議論する機会にも恵まれた。今回,議論となりやすい予後不良な切迫早産関連疾患を中心に当院の管理方針を示す。

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