特集 産婦人科医が知っておくべき疼痛管理のコツ
Ⅱ.産婦人科における鎮痛の実際
3.がん性疼痛
坂場 大輔
1
,
杉山 将樹
1
,
藤村 正樹
1
D. Sakaba
1
,
M. Sugiyama
1
,
M. Fujimura
1
1水戸赤十字病院産婦人科
pp.275-281
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003331
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婦人科がんの疼痛には,子宮頸がんの骨盤への進展に伴う痛みや,卵巣がんの腹膜播種に伴う痛みなど,いくつかの特徴的な疼痛が存在する。いずれの疼痛も現代の医療では対処が可能であり,主治医としての婦人科医は患者の疼痛状況を適切に評価し,遅滞なく疼痛緩和対策を導入する義務があり,そのために疼痛緩和の実際を学ぶ必要がある。また,がん性疼痛に対する疼痛緩和の初期導入は婦人科医の使命ではあるが,疼痛緩和策の多様化・高度化,そして疼痛緩和の専門家の近年の地域での充足に伴い,患者とともに歩んできた主治医としての婦人科医の役割は,その患者の人生の物語や生き方を人生会議(advanced care planning;ACP)を通して,適切な時期に疼痛緩和の専門家に引き継いでいくことでもある。

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