特集 内科診療にガイドラインを生かす
緩和ケア
がん疼痛
新城 拓也
1
,
的場 元弘
2
1しんじょう医院
2国立がん研究センター中央病院緩和医療科
pp.516-521
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107157
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
がん疼痛の診療ガイドラインは,痛みの強さに応じてオピオイドを含む鎮痛薬を使用する,いわゆる3ステップラダーが有名な,WHOが1996年に発表したものが最初である.当時のがん疼痛に対する治療の不備を重大な人類的問題と考えていたWHOは,わずかなエビデンスと世界各国の専門家の合意により,がん疼痛のガイドラインを作成した.このガイドラインは,「Cancer Pain Relief(がん疼痛からの解放)」というタイトルの通り世界中の臨床家に対する強いメッセージを含む一種の宣言となった.
その後,WHOガイドラインの臨床的な検証や,新たなオピオイドの開発とともに,さまざまな臨床研究が実施され,日本,米国,欧州の学会や団体から新たなガイドラインが発表されている(表1)1~3).特に,日本緩和医療学会1)とEAPC(European Association of Palliative Care)2)から発表されたガイドラインは,エビデンスに基づいた知見を元に専門家で合意された推奨(ステートメント)で構成されている.
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