特集 産婦人科医が知っておくべき疼痛管理のコツ
Ⅱ.産婦人科における鎮痛の実際
1.手術後の鎮痛(産婦人科の開腹術,帝王切開術,腹腔鏡手術)
中澤 春政
1
,
萬 知子
1
H. Nakazawa
1
,
T. Yorozu
1
1杏林大学医学部麻酔科学教室
pp.261-266
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003329
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質の高い術後疼痛管理は,患者の早期離床を促進し,術後合併症を減少させることで入院期間の短縮にもつながる。しかし,安全で効果の高い術後疼痛管理を提供するためには,術前の入念な患者評価とそれに基づいた疼痛管理計画が必要となる。産婦人科領域の標準的な術式としては,開腹手術,腹腔鏡手術,そして帝王切開が挙げられるが,それぞれの術式において効果的な術後鎮痛方法は若干異なる。術後痛が強い開腹手術では,硬膜外麻酔やオピオイドの静注が必要となるのに対し,腹腔鏡手術では非麻薬性鎮痛薬による鎮痛,そして帝王切開の術後鎮痛としてはくも膜下モルヒネが使用されている施設が多い。本稿では,これらの術式における基本的な鎮痛管理の原則から術前患者評価のポイントや具体的な鎮痛プロトコールまで解説する。

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