特集 帝王切開術
帝王切開術術式
西田 悦郎
1
Etsuro Nishida
1
1金沢大学産科婦人科
pp.803-808
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204470
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序
帝王切開の手術手技については,その基本術式は大体共通の最大公約数的な基盤の上にある。しかし,その細部の手技となると,それぞれ代表術者と目される方々が甲論乙駁,時には論の止まる所を知らないという場面に遭遇することがすくなくない。それには術者の教育を受けた時代の考え方や,各人の性格や個々の印象的体験などが影響しているのであろうが,一方,更に大きな因子に術者のおかれている立場や医療に対する態度がある。
すなわち大病院で3〜5名の医師で帝切を行なうのか,小病院で看護婦相手にやるのかという差や,1人1人の患者をすべて最重要人物(VIP)と考え最先端最高の手術と治療を行なおうと努力し,またそれのできる立場の術者と,とにかく大過なく何とか急場をしのぐことが目標であり,その立場に立たざるをえない術者とでは,その術式手技が相違してくるのは当然である。
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