特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅴ 女性医学
51.更年期障害
若槻 明彦
1
A. Wakatsuki
1
1愛知医科大学(名誉教授)
pp.1436-1441
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003188
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更年期は,「生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期をいい,卵巣機能が衰退し始め消失する時期にあたる」と定義されており,閉経の前後5年間を指す。閉経年齢は個人差があるが,仮に50歳が閉経とすると45~55歳を更年期という。更年期症状とは「更年期に現れる多種多様な症状のなかで,器質的変化に起因しない症状」と定義されている。その症状は複合的で,自律神経失調症,精神神経症状,その他に分けられる。自律神経失調症としては,熱感,のぼせ,心悸亢進,発汗,不眠,めまいなどが中心で,精神神経症状にはいらいら感,不安感,抑うつ気分,情緒不安定,頭重感などがあり,その他には腰痛,関節痛などの運動器症状,吐き気,食欲不振などの消化器症状,乾燥感,かゆみなどの皮膚粘膜症状および排尿障害,頻尿,性交障害,外陰部違和感などがある。自律神経失調症状はエストロゲン欠乏と関連性が強いが,精神神経症状は内分泌学変化以外にも心理的,環境的要因も関与する。
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